第2期試験研究概要(2004年4月-2009年3月)

● ISO/IEC15408 の共通評価手法CEMの拡張、および将来の国防用途等高度なセキュリティを要する情報技術製品・システム開発等を想定して、ISO/IEC15408のEAL5-6級のST作成・評価用証拠資料準備及び評価のための研究と試作品開発に取り組む。
● 情報システムユーザのニーズを想定し、ISO/IEC15408等に関連したITセキュリティ技術評価基準及び ISO17799等を併用した複合的なITシステムのセキュリティを保証する技法の調査研究と開発を行う。
● ISO/IEC15408のEAL4+級のITセキュリティ評価に耐えうるシステムLSIチップを開発製造するため、海外評価機関と提携してシステムLSIの脆弱性分析技術の研究開発を行う。
● その他、デジタル家電製品のセキュリティ保護技術等、組合員より提案された特定の分野の情報技術製品・システムのセキュリティ保護技術及び第三者評価方法論の調査研究と開発を行う。
● わが国電子政府及び電子自治体が利用もしくは調達する情報技術製品・システムのセキュリティ保護技術及び第三者評価方法論の調査研究と開発を行う。

この内、高EAL評価用資料作成技術並びに評価技術、システムLSIチップセキュリティ評価技術については、所期の活動を行い、成果が得られた。高EAL評価用資料作成技術並びに評価技術については、ナショナルセキュリティ関連の技術として活用され、システムLSIチップセキュリティ評価については、わが国における取り組みの基盤を整備することに貢献した。また、ISO19790暗号モジュール試験技術の研究を行い、その成果を組合員を中心に設立された株式会社電子商取引安全技術研究所に移管し、暗号モジュール試験認証制度下の試験機関としての運用を2007(平成19)年12月より開始した。一方、複合的なIT システムのセキュリティを保証する技法及び電子政府及び電子自治体が利用もしくは調達する情報技術製品・システムのセキュリティ保護技術については、情報セキュリティ第三者評価認証制度の成熟と普及により、高度技術研究開発のテーマとならず、市場において早期に実用化されたため、とりわけて大きな取り組みを行わなかった。

2019年07月23日